2009年度 退職記念講義
講師 | 佐藤正俊 教授 | ![]() |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 | |
日時 | 2010/3/2 10:00-11:00 | |
場所 | 理学部B5講義室 |
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講師 | 佐藤正俊 教授 |
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開講部局 | 理学部/理学研究科 |
日時 | 2010/3/2 10:00-11:00 |
場所 | 理学部B5講義室 |
大学院生活が始まった頃、東大に低温センターが出来、夢多かりし時であったが、低温物理学や超伝導等の研究分野は、すでに解決済みのものとして、次の発展の模索段階に入っていたかもしれない。その時期に、価値あるテ一マを悶々と探した結果、暗闇の光明に思えたのが、高温超伝導実現という目標設定が自分に出来てきたことであった。助手時代に中性子散乱という新たな実験手段を持てたことが、物質系を広く見渡す目を多少なりとも養ってくれ、目標を具体化する研究対象として、酸化物(超) 伝導体を選択することにつながった。私の研究のタ一二ングポイントはその選択をしたときだったように思う。以後、銅酸化物超伝導体の発見もあり、研究方向の迷いなしに、超伝導やそれをとりまく物質物浬開発に取り組んできたが、研究面で気をつけたことは、"観測した物性現象を正直に、かつ、広い角度から見よう"ということであった。今も、それが正しい結論に到達する最短の道であると考えている。
名大では 20 年間、教授として勤務させて頂いたが、教育面では"学生と思いやりのある緊張関係を保つこと"と"研究指導の責任について自分を偽らないこと"とを考えてきた。名大ほどの大学であれば、己に対して妥協を許さないしっかりした人材を育てることが今後もこうして可能になると考えている。ますます役割を果たしていける学府として発展することを祈念している。
佐藤 正俊(さとう・まさとし)理学研究科教授
1975 年 4 月 1 日〜1985 年 2 月 15 日 東大物性研 助手
1978 年 7 月〜1979 年 7 月 英国ハーウェル原子力研究所出張(1 年間)
1980 年 10 月 米国ブルックへブン国立研究所(1 年間)出張
1985 年 2 月 16 日〜199 年 4 月 1 日 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所 助教授
1990 年 4 月 1 日〜1996 年 3 月 31 日 名古屋大学理学部 教授
名古屋大学大学院理学研究科 教授
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February 15, 2017