2008年度 退職記念講義
講師 | 鳥居修平 教授 | ![]() |
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開講部局 | 医学部/医学系研究科 | |
日時 | 2009/3/11 15:45-16:45 | |
場所 | 医学部中央診療棟3階講堂 |
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講師 | 鳥居修平 教授 |
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開講部局 | 医学部/医学系研究科 |
日時 | 2009/3/11 15:45-16:45 |
場所 | 医学部中央診療棟3階講堂 |
私は 1970 年に名古屋大学を卒業し、形成外科を志して東京警察病院で研修いたしました。ちょうどその頃マイクロサージャリーによる組織移植が世界で試みられ画期的な効果をあげ、東京警察病院が世界のトップランナーでありました。そのマイクロサージャリーが私のライフワークになりました。1978 年に名古屋大学に戻ってきて 31 年間お世話になりました。名大病院に形成外科が開設されたのは今から 23 年前の 1986 年であり、その頃は東海地方の国公立の大学にはありませんでした。教官1名医員2名と少ないスタッフで診療、教育、研究を行い多くの人に助けられました。マイクロサージャリーは手術用顕微鏡を使って 1mm 前後の血管を吻合して、切断された指をつないだり、がんやケガで欠損した患者に皮膚や骨を移植して復元します。話題の顔面移植も移植免疫の進歩とこのマイクロサージャリーの技術が必須となります。名古屋大学では頭頚部癌の手術後に食道や下顎骨を作ったり、顔面神経麻痺の再建に主にマイクロサージャリーが行われます。形成外科は QOL が求められる現代ではまだまだ仕事が増えてくると思います。また研究として生命農学研究科の故北川泰雄教授と脂肪由来幹細胞の研究を行い、現在医学部の様々な科で臨床研究が進められております。
名古屋大学は時代に対応して新しい部門、システムを作り、支援してきたと思います。名古屋大学のさらなる発展を祈念いたします。長い間ありがとうございました。
鳥居 修平(とりい・しゅうへい)医学系研究科教授
※講義動画および資料の一部に実際の手術画像が含まれます
March 26, 2022