講師 | 原 進 教授 |
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開講部局 | 教養教育院 2024年度春学期 |
対象者 | 学部1年生(教育学部附属高等学校生も含む) |
少人数のセミナーの形式で,大学で学び研究するための最も基本的なスキル(コモン・ベーシック)としての読み(文献調査,考察,検討),書き(まとめ,報告書作成),話す(討論,発表)を中心とした多面的な知的トレーニングを行います。さらに「知の探究のプロセス」と「学問の面白さ」を学び,自立的学習能力を身につけることを目的としています。教員の研究分野に応じて多様なテーマが用意されています。
多様な人々に求められる「サービス(奉仕)」とは何かについて考えられる力をつけることがこのテーマの第一の目標です。同時に、この第一の目標を達成するために、複数のメンバーで議論して、まとめて行く力、さらにはサービスの対象者に対して適切なプレゼンテーションをして説明する力や質疑応答する力を養うことも目標になります。
今、ありとあらゆるサービスが無人化され、インターネットを利用するもの、生成 AI などが提供するもの、自動○○機やロボットなどが提供するものに置き換わりつつあります。つい最近、東海道新幹線の車内ワゴンサービスがなくなりました。もうアイスクリームはホームの自動販売機で購入しないといけません。そもそも駅にあった「みどりの窓口」がだいぶ前からどんどん減っています。しかしながら、急速な少子高齢化社会では人手によるサービスを完全になくすこともできません。大事なことは、さまざまな対象者に対して、適切なサービス(奉仕)とは何か?についてよく考えて、適切に提供することです。これができないと、対象者には歓迎されても経営的に失敗するサービスになるかもしれませんし、サービス提供側は前向きに取り組んでいても、対象者にはただのお節介になっている場合もあり得ます。
そこで、この基礎セミナーのテーマでは次のような例題を取り上げます:「海外から来日される留学生に本当に喜ばれるサービスとは何か?」をチームで考えて実際に名古屋大学にやってくる留学生にプレゼンテーションして意見を伺います。
3名で一つのチームを構成し、最初にサービスのアイデアを話し合い、必要な調査を行います。そして英語で資料を作成して英語でプレゼンテーションします。1回目のプレゼンテーションで留学生からいろいろな意見を伺います。それを元にサービスの内容を修正して2回目のプレゼンテーションを行います。この時には留学生から評価をしてもらい、優勝チームと準優勝チームを選びます。最後に、反省会を行い、サービスの内容そのものから、英語による資料作成やプレゼンテーション、質疑応答に至るまで、この点はとても良かった、この点はもっとこうすべきだったというところを振り返りましょう。それらをチームで一つのレポートにまとめて提出していただいてこのテーマは終了します。
このような経験は短い期間であっても、文系理系を問わず今後様々なテーマで調査研究活動を進める際に役立ちます。そして、このテーマの特徴は実際に名古屋大学に来ているたくさんの留学生とコミュニケーションを取りながら進めていくところです。英語力、プレゼンテーション能力をつけることはもちろんですが、将来の本格的な留学に向けたきっかけとなるかもしれません。
留学生のみなさんに披露するサービスは、インターネットや生成 AI では簡単に現れない、そして簡単に機械にも置き換えられないようなユニークな内容を考えてください。留学生は観光客ではなく生活者です。本当はあったらうれしいサービスがたくさんあると思います。例えば「地元のローカルスーパーマーケットで一番お値打ちにお買い物する方法のご紹介」というのはいかがでしょうか?「1か月で○○○円も違う!」とついついそのように買い物したくなるような、調査に基づいた正しくて説得力のあるプレゼンテーションが望ましいです。
必要に応じて授業中に指示します。
サービスのアイデアを検討する際やプレゼンテーションの準備などのために、インターネットを使った調査や実地調査などが必要になる場合があります。
留学生に対して行う、英語によるプレゼンテーションに抵抗のない学生が履修してください。
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
August 27, 2024