健康・スポーツ科学講義

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講師秋間 広 教授
開講部局教養教育院 2020年度春学期
対象者理学部・医学部・農学部 1年生

授業の目的

第一部 共通講義:大学生活を心身ともに健康に過ごすために必要な基礎的知識と、運動の意義・必要性について、全学生が共通概念を持てるよう、全クラスで同一内容の授業を2回にわたって行う。

第二部 個別講義:この授業では人間の「筋肉(骨格筋)」と「持久力(スタミナ)」に焦点を当てて授業を行います.最初は基礎的な学習を行った後に,応用的な学習としてトレーニング,運動不足,加齢,整形外科的疾患および遺伝的筋疾患によって筋肉やスタミナがどのように変化するのかについて学びます.

授業の工夫

私が講義で気をつけていることは,いくつかあります.一つ目は知的好奇心を刺激するような情報を提供することです.例えば,多くの学生は肺活量が大きいほど持久力があると思っています.しかし,実際には肺活量は体の大きさに比例するだけで,持久力には大きく影響しません.このような情報を提供しています.二つ目は最新の研究の知見を提供します.健康や運動に関係する最新の知見を授業の最初にトピックとして紹介します.例えば,17 年間で 2.6 万人の人々を追跡した調査結果から,ほとんどの運動が寿命を延ばすことを明らかにした研究の紹介であったり,また,痩せている女性でも高血糖リスクが高まること,など学生自身に関係するような情報を提供しています.三つ目は授業の最後に行う小レポートでその授業のまとめを書いてもらうこと(これで復習ができます),そして,授業で理解しにくかった点や疑問点などをレポートに記載してもらいます.次の授業でそれを可能な限り発表して,コメントしていきます.学生は自分の質問があると嬉しいようです.

授業の内容

第一部 共通講義

最近問題になっている感染症予防、薬物問題や喫煙・アルコール・生活習慣病、救命救急について、及び生理学、心理学、社会学など様々な観点から見た運動の意義や必要性についての授業を、それぞれ1コマ実施する。

第二部 個別講義

  1. イントロダクション
  2. 骨格筋の基礎
  3. 運動単位
  4. 呼吸系の基礎
  5. 循環系の基礎
  6. エネルギー代謝
  7. 運動と脳・神経
  8. 骨格筋と筋力トレーニング
  9. 持久的トレーニング
  10. 高所・低酸素トレーニング
  11. 骨格筋と身体不活動
  12. 骨格筋と加齢
  13. 骨格筋と遺伝的筋疾患

履修要件

特に必要とする履修要件なし

成績評価

試験の結果(40%)と出席状況(60%)を成績評価の対象とする.なお,詳細については第一回目の授業で提示する.履修取り下げ制度を採用する.「履修取り下げ届」の提出期限は第4回目授業終了時点とする.

教科書

特になし.プリントを配布する.

参考書

  • 運動生理学 20 講.勝田茂編著,朝倉書店
  • スポーツ生理学 冨樫健二編,化学同人社

注意事項

特になし

本授業に関する参照 Web ページ

http://www.htc.nagoya-u.ac.jp/

担当者からの言葉

Part 1 Common Lectures: Two lessons with the same content in all classes so that all students can have a common concept of basic knowledge necessary to spend college life both physically and mentally well, and the significance and necessity of exercise.

Part II Individual lecture: This class focuses on human "muscle (skeletal muscle)" and "endurance". At first you will learn the basics and then apply applied learnings about how your muscles and endurance change with physical training, lack of physical activities, aging, orthopedic and genetic muscle disorders.

投稿日

July 05, 2021