生物化学2-2013

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講師前島正義 教授
開講部局農学部/生命農学研究科 2013年度 前期
対象者農学部生物環境科学科・資源生物科学科・応用生命科学科2年 (2単位週1回全15回)

授業の内容

生物に共通する細胞での物質代謝とエネルギー獲得の概念、具体的な詳細経路に関する理解、そして代謝に関わる酵素の基本概念と数値計算にも習熟することを到達目標とする。

生物が食物あるいは栄養成分として摂り入れた物質は、エネルギーを得るため、あるいは自らの構成成分を作り出す素材を得るために様々な仕組みで代謝される。本講義では酵素触媒反応の特徴、酵素反応の速度論、解糖系をはじめとする代謝経路と調節機構、生理的意義、さらに酸化的リン酸化による ATP 生産機構とその調節などを中心に代謝のダイナミズムについて深く理解できるよう講義する。

教科書

日本語版

  • レーニンジャーの新生化学 上,下巻(第 5 版 2010 年)

英語版

  • Lehninger: Principle of Biochemistry (5th ed., Nelson & Cox, Worth Publishers, 2008)
  • Lehninger: Principle of Biochemistry (6th ed., W.H. Freeman and Company, New York, 2013)

辞典

  • 生化学辞典(第 4 版)2007 年刊
  • Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology, 2nd ed., 2006, Oxford Univ Press

スケジュール

Part1 担当: 前島
1 はじめに(食物から生体成分の素材とエネルギーを取り出す仕組み)
2 代謝からみた細胞構造の特徴と意味
3 タンパク質を調べる(ゲノムサイエンス,分子の精製,機能解析)
4 酵素反応速度論(酵素反応の特徴、反応速度を規定する要因、反応速度の測定、ミカエリス・メンテン式)
Part2 担当: 梶尾
5 解糖経路
6 糖質の異化代謝の調節
7 ペントースリン酸経路(グルコース酸化の第二経路)
8 クエン酸回路: 代謝経路、 役割、 調節
9 脂肪酸の酸化
10 尿素サイクル
Part3 担当: 前島
11 酵素反応の阻害様式と解析法
12 補酵素の種類と機能
13 生体エネルギー論:ATPおよび高エネルギーリン酸化合物
14 ミトコンドリアでの酸化的リン酸化反応(ATP合成の分子機構)
15 エネルギー転換効率とエネルギー生産の調節

講義ノート

成績評価

  • 授業への参加姿勢(20%)と筆記試験(定期試験)の成績(80%)により成績を評価する。
  • 履修取り下げ制度を採用する。
  • 履修取り下げの有無に関わらず、定期試験を受験しない者は「欠席」とする。

投稿日

March 17, 2020