講師 | 宮木康博 教授 |
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開講部局 | 法学部/法学研究科 2012年度 後期 |
対象者 | 法学部3年生・4年生 (4単位・週1回全28回) |
刑罰法令を具体的に実現するためには、犯罪事実を認定し、科すべき刑を量定する手続が必要となります。この手続が刑事訴訟(刑事手続)です。講義では、捜査から公訴、公判へと手続の流れに則して概略を説明し、そこに生じる重要な問題について検討を加えます。
講義は、4 段階の構成をとっています。まず、冒頭で各回ごとに「学習の目的」をかかげて全体の道筋を示します。次に、手続の流れにそって、法概念や法解釈を解説します。その上で、具体的に問題を提示し、その場で考えてもらう時間をとり、最後に、解説と該当関連判例を紹介しています。各回ごとに学びと思考を繰り返すことができ、知識と思考力の醸成につながるものと考えています。
刑事訴訟手続全般についての初歩的・基礎的な知識を得るとともに、刑事訴訟法上の基本的な諸制度ないし原理の意義を根本から問い、考える習慣・能力を身につけます。
レジュメとパワーポイントおよび配布資料。
【基本書】
【その他】
【演習書】
回 | 講義内容 |
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1 |
<イントロダクション> わが国の刑事手続の流れについて、捜査から、公訴、公判、上訴・再審までを一通り概観する。 |
2 |
<裁判員制度> 裁判員制度の概要を理解する。 |
3 |
<刑事手続の基本原理> 適正手続と実体的真実主義、、弾劾主義と糺問主義、職権主義と当事者主義といった刑事訴訟法学上の基礎的な諸概念を検討するとともに、捜査手続及び公判手続の基本構造、各訴訟関与者の役割や相互関係について概説する。 |
4 |
<刑事訴訟法の担い手と関与者> 刑事訴訟法の登場人物について概観する。 |
5 |
<捜査法総論> 捜査機関の行う犯罪捜査活動を任意処分と強制処分とに区別する意味とその基準を検討し、それに関連して強制処分法定主義や令状主義の存在理由を考える。具体的な問題として、任意同行、写真撮影、おとり捜査などを取り上げる。 |
6 |
<捜査機関、捜査の端緒> 犯罪捜査機関にはどのようなものがあるかを概説する。次に、捜査の端緒について、特に職務質問と所持品検査を中心に検討する。 |
7 |
< 逮捕・勾留(1)> 刑事事件の被疑者の身柄拘束手段としての逮捕手続と要件について概説する。 |
8 |
< 逮捕・勾留(2)> 刑事事件の被疑者の身柄拘束手段としての勾留の手続と要件について概説する。 |
9 |
<逮捕・勾留> 逮捕・勾留にまつわる基本原則とそれに関する法的諸問題を検討する。 |
10 |
<物的証拠の収集(1)> 捜索・差押えに関する法的問題を検討する。 |
11 |
<物的証拠の収集(2)> 体液採取等について検討する。 |
12 |
<供述証拠の収集> 供述証拠の採取手段、特に身柄拘束中の被疑者の取調べの性質について検討する。 |
13 |
<被疑者の権利・防御活動(1)> 黙秘権に関する法的問題を検討する。 |
14 |
<被疑者の権利・防御活動(2)> 弁護人の援助を受ける権利、特に接見交通権に関する法的問題を検討する。 |
15 |
<公訴提起の諸原則> 公訴提起に関する基本原則を検討した上、わが国の検察官に広範な訴追裁量権が与えられていることの意義や問題点を分析する。 |
16 |
<公訴提起手続> 起訴状に記載される訴因の明示・特定に関する問題を検討し、また、起訴状一本主義の意義について考察する。 |
17 |
<訴訟条件> 訴訟条件の意義及び種類と効果について検討する。 |
18 |
<公判法総論> 裁判所をはじめとする訴訟主体の地位・権限について概説する。また、迅速裁判、公開裁判等の公判手続に関する諸原則について概観する。 |
19 |
<公判準備と公判審理> 公判準備に関する諸制度、特に証拠開示制度について概観した後、公判審理の流れを概説する。 |
20 |
<審判対象と訴因> 審判対象論及び訴因制度の意義を検討した上で、訴因変更の制度に関する法的諸問題を考察する。 |
21 |
<証拠法総論(1)> 証拠に関する基本的な諸概念について解説する。 |
22 |
< 証拠法総論(2)> 証拠の種類について解説する。 |
23 |
<証拠の許容性> 科学的証拠の問題も含め、証拠の関連性の意義を検討する。 |
24 |
<自白の証拠能力> 自白に関する法的規制、特に自白の証拠能力に対する制限について検討する。 |
25 |
<伝聞法則(1)> 伝聞法則の趣旨、伝聞証拠の意義について検討する。 |
26 |
<伝聞法則(2)> 伝聞例外規定に関する諸問題を検討する。 |
27 |
<裁判> 裁判の種類と効力について概説する。 |
28 |
<まとめ・定期試験> |
第1講
第2講
第3講
第4講
第5講
第6講
定期試験によって評価を行う。
March 12, 2020