実験音声学基礎-2011

講師成田克史 教授
開講部局文学部/人文学研究科 2011年度 前期
対象者国際開発研究科 国際コミュニケーション専攻 (2単位週1回全15回)

授業の目的および内容

この授業は、コンピューターを用いて音声を音響的に分析し、その特徴を抽出する手法を習得することを目的とする。授業ではあらかじめ用意された音声を素材として分析を行い、その結果として得られる画像や数値から、人間の声の成り立ち、音と音を識別するための手がかり、連鎖による音の変容、発話における韻律的特徴など、言語音声の性質やそこに生じる現象について、音響の側面から理解を進めていく。参加者はテーマごとに理論面の講義を受けた後、用意された手順に従って音声分析を行い、これについて各自報告書を作成することが求められる。

授業の工夫

音声は一瞬にして消え去り、音声そのものを目で見ることはできない。音声を記録し、音響分析した結果を視覚的に提示することによって、耳で聞いただけではよくわからないことが見えてくる。ただし、可視化されたデータを正しく読み取るには慣れが必要である。この授業では受講生が自ら音響分析を行い、データを詳しく観察することによって、音声の真の姿を捉える練習を積む。

対象学生

国際開発研究科の学生(ただし教室に余裕があれば他研究科の学生も受講できる)

教科書

プリントを配付する。

参考文献

服部四郎『音声学』(岩波書店)、P. ラディフォギッド『音響音声学入門』(大修館)、W. ワン『発話の科学』(研究社)、Keith Johnson "Acoustic and Auditory Phonetics" (Blackwell)ほか、授業で指示する。

授業での使用言語

日本語

その他

  1. 教室は音声実習室(文系総合館7階)である。
  2. 修士論文等で発音に関連するテーマを扱う者は1年次に受講することが望ましい。
  3. 授業時間中にやり終えなかった音声分析については、各自で行うこと(音声実習室を使用する場合は文系総合館受付で予約をすること)。

スケジュール

講義内容
1 声の周波数成分(1)
2 声の周波数成分(2)
3 母音のフォルマント(1)
4 母音のフォルマント(2)
5 母音のフォルマント(3)
6 子音の有声無声
7 子音の調音方法
8 子音の調音点に関わる諸特徴(1)
9 子音の調音点に関わる諸特徴(2)
10 調音結合(1)
11 調音結合(2)
12 調音結合(3)
13 基本周波数の時間的変化(1)
14 基本周波数の時間的変化(2)
15 基本周波数の時間的変化(3)

講義ノート

実験音声学基礎

成績評価

授業での音声分析に臨む姿勢(40%)と報告書の出来映え(60%)により評価する。 総合点60点以上をC,70点以上をB,80点以上をAとする。


投稿日

June 22, 2018