金融特論-2011

講師家森信善 教授
開講部局経済学部/経済学研究科 2011年度 前期
対象者経済学部経済学科3、4年生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

金融論として扱うべき問題は、金融政策論と金融システム論に大別されるが、この講義は後者をカバーしている。経済学部 2 年生向けに講義している「金融システム」の成績優秀者を標準的な受講者と想定して、上級レベル(アメリカの有力大学の MBA レベル)の講義を行っている。この講義の目的は、金融市場の構造や金融機関経営について受講者の理解を深めることにある。とくに、金融システムや金融規制の特徴を、情報の経済学の基本概念に沿って解説することを目指している。具体的には、Frederic Mishkin, Economics of Money, Banking, and Financial Markets, (9th Edition Prentice Hall, July 2009) をテキストとして、金融システムに関する第 1、2、8、9、10、11、12 章を各章ごとに 2 回程度のペースで解説していった。

授業の工夫

シラバスに各回で講義する部分を詳細に提示し、計画的に予習をしやすいようにした。テキストは日本語訳がないものを選び、講義中の資料もほとんど英語のみで作成した。したがって、多くの学生にとっては、テキストを読むために相当の時間をかけて予習せねばならなかったはずである。また、「特論」の受講生(履修者ではなく、実際に出席している者)は 20〜30 名なので、出席確認がてら、講義中に指名して発言してもらった。さらに、各章の講義が終わったごとに、問題文も含めてすべて英語表記の小テストを、NUCT (Nagoya University Collaboration and Course Tools)を利用して実施した。講義期間中に全部で 100 問以上の問題を解いてもらった。

講義の目的

この講義の目的は、金融市場の構造や金融機関経営について受講者の理解を深めることにある。

予備学習の指示

テキストの該当箇所を予習しておくこと。

履修条件・注意事項

講義は日本語で行う予定だが、英語の学力が乏しいと単位を取るのは難しい。

教科書・参考書

Frederic Mishkin, Economics of Money, Banking, and Financial Markets, 9th Edition Prentice Hall, July 2009. (According to the publisher’s website, printed textbook price is $200.00).

スケジュール

講義内容
1 Why Study Money, Banking, and Financial Markets?
2 An Overview of the Financial System
3 An Overview of the Financial System
4 An Economic Analysis of Financial Structure
5 An Economic Analysis of Financial Structure
6 Financial Crises and the Subprime Debacle
7 Financial Crises and the Subprime Debacle
8 Banking and the Management of Financial Institutions
9 Banking and the Management of Financial Institutions
10 Economic Analysis of Financial Regulation
11 Economic Analysis of Financial Regulation
12 Banking Industry: Structure and Competition
13 Banking Industry: Structure and Competition
14 Banking Industry: Structure and Competition
15 Summary / Test

講義ノート

第 1 回 Why Study Money, Banking, and Financial Markets? (PDF 文書, 269KB)

成績評価

小テストと期末テストの結果に基づく。


投稿日

March 05, 2020