憲法-II(人権・憲法訴訟)-2015

course
講師大河内美紀 教授
開講部局法学部/法学研究科 2015年度 前期
対象者法学部2年生 (4単位週1回全15回)

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授業の内容

この講義では、憲法・憲法学のうち、人権および憲法訴訟論を取り上げる(総論 および統治機構については憲法 I で取り扱う)。日本国憲法の下で採用されてい る違憲審査制度について概説した後、人権条項の解釈・適用にかんする憲法学説 および判例の分析・検討を行う。

授業の工夫

法学部の講義科目である以上、条文の解釈論は必須である。しかしながら、受講者の半数以上が将来的に法律専門職以外の道に進もうとする学生であることから、詳細な条文解釈の知識を習得することよりも、社会生活を送る上で見聞きする諸問題を「人権」という視角から分析・検討することのできる能力を身につけることのほうがより重要であると考えている。そのため、講義では、可能な限り人権保障の歴史や比較憲法の知識などに言及することとしている。受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自らその問題を考えるための基礎体力を涵養することがその狙いである。

講義の概要

この講義では、憲法 Ⅰ の履修を前提として、人権分野における憲法学説・判例を概説する。違憲審査制を採用した日本国憲法の下では、人権問題の多くが裁判という場で議論されている。そのため、単に条文解釈を覚えるのではなく、人権条項が具体的に、どのような場で、どのように論じられ、保障されているのか/いないのかを、憲法判決を通じて検討することを、この講義の主題とする。

本講義では冒頭、違憲審査制の基礎知識を講じた後、体系書の通例にならい、日本国憲法(主として第 3 章) の解釈論上の基本問題に重点をおいて講義をする。その際、可能な限り、人権保障の歴史や比較憲法の知識などにも言及することで、受講者が人権保障の問題をより深く理解し、自分なりにそれを分析・検討する力を身につけられるような講義にしたいと考えている。

受講の際のルール

  • 私語および不規則発言は禁止する。
  • レジュメは、原則、講義前週までにシラバスシステムに up するので、各自プリントアウトして持参すること。
  • 受講に必要なもの
    • 六法=コンパクトなもので充分
      • ex.新六法(三省堂)、コンパクト六法(岩波書店)
    • 判例集
      • 野中俊彦・江橋崇『憲法判例集』[第 10 版](有斐閣新書、2008)
      • 『別冊ジュリスト・憲法判例百選』Ⅰ・Ⅱ[第 6 版](有斐閣、2013)

教科書

特に指定しない

参考文献

  1. 入門書
    • 渋谷秀樹『憲法への招待』(岩波新書、2001)
    • 森英樹『新版・主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書、1997)
  2. 概説書
    • 辻村みよ子『憲法』[第 4 版](日本評論社、2012)
    • 野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法〔第 5 版〕』Ⅰ・Ⅱ(有斐閣、2012)
    • 芦部信喜『憲法』[第 6 版](岩波書店、2015)
    • 浦部法穂『憲法学教室』[全訂第 2 版](日本評論社、2006)

その他

レジュメ記載の凡例

  • §14Ⅱ: 日本国憲法 14 条 2 項
  • 民§900④: 民法 900 条 4 号
  • 最大判 1950.10.11: 1950 年 10 月 11 日最高裁大法廷判決
  • 最 3 小判 2007.2.27: 2007 年 2 月 27 日最高裁第 3 小法廷判決

履修条件

特になし。ただし、現実の社会問題に関心を持ち、日常的に新聞に目を通しておくことが望ましい。

スケジュール

日付 講義内容
1 4/16 概論:基本的人権を保障する意義
2 4/23 司法権の観念と違憲審査制
3 4/30 総論:人権享有主体性
4 5/7 総論:人権の限界
5 5/14 表現の自由
6 5/21 平等
7 5/28 思想・良心の自由
8 6/4 信教の自由と政教分離
9 6/11 職業選択の自由
10 6/18 財産権
11 6/25 生存権
12 7/2 教育をうける権利と労働基本権
13 7/9 幸福追求権
14 7/16 人身の自由
15 7/23or30 まとめ・期末試験

講義ノート

第 2 回

第 3 回

第 4 回

成績評価

期末試験による(100%)。詳細は講義時に指示する。


投稿日

March 12, 2020