地球環境学2-2011

講師氏原温 准教授
開講部局情報文化学部 2011年度 後期
対象者情報文化学部自然情報学科2年 (2単位週1回全15回)

授業の内容

生物相は,地球の歴史の中で大気,海洋および地殻と密接な相互関係をもちながら発展し,現在に至っている。本講義の到達目標は, (1)生物相および自然環境の変遷について基礎的な知識を得ること,

(2)生物相と地球環境の関係を地球史的な観点から理解すること,
である。

授業の工夫

  1. 過去の生物相への興味関心を高めることを狙って、授業中に化石の回覧や名大博物館の見学を行なっている。
  2. 授業の最後に、その日の授業内容に関する質問などを書いてもらい、次週にそれらの質問への回答を行なっている。
  3. レポート作成の過程において、テーマの決め方、調査の仕方、レポートの書き方などについてアドバイスしている。

授業の目標

  1. 現在の地球の多様な生物相がどのようにして出来上がったかを学び、今後どうなっていくか を考える. → 生物と環境の関係の見方、環境問題
  2. 過去(というつかみどころのないもの)をどう知るか、を学ぶ.
  3. マスコミに出てくる地球科学、地球環境学に関連する番組や記事の見方を学ぶ.

授業内容

  1. イントロダクション:授業の目的と全体の流れ,成績の評価方法などについて。
  2. 過去の生物相と地球環境の研究法:私たちはどのようにして過去のことを知る(見る)ことができるのか。
  3. 地球環境変遷史:人類誕生以前から,時代とともにめまぐるしく変化してきた自然環境の歴史。
  4. 生物相変遷史おもに古生代以降の生物相変遷の歴史における重要なイベント(いくつかの多様化と絶滅のイベント)について。
  5. 生物相と地球環境の相互作用:生物相と地球環境の歴史からうかがわれる両者の相互作用。現在の環境問題は地球の歴史上どう位置づけられるか。
  6. 日本の生物相の成立過程:現在日本列島に生息する動植物はどのような過程を経て現在に至ったか。
  7. まとめ:これまでの授業の内容をまとめるとともに,人類を含めた生物相の将来について考える。

教科書

教科書は使用しない。

参考書

  • 「地球生物学」池谷仙之・北里洋著、東京大学出版会
  • 「絶滅古生物学」平野弘道著、岩波書店
  • 「生命と地球の進化アトラス I」R. T. J. ムーディ・A. Y. ジュラヴリョフ著、朝倉書店
  • 「生命と地球の進化アトラス II」D. ディクソン著、朝倉書店
  • 「生命と地球の進化アトラス III」I. ジェンキンス著、朝倉書店
  • 「古生物学事典 第 2 版」日本古生物学会(編)、朝倉書店

この授業で力点をおく基礎能力

基礎能力の重み付け(*印で5段階表示)
基礎能力 論理的思考 人工言語リテラシ 自然言語リテラシ
重み付け *** * ***

講義ノート

地球環境学 2

  1. イントロダクション
    1. 地球環境学2では何を学ぶか?
    2. 本講義の内容のあらまし
    3. 本講義を受講する意義
  2. 過去の生物相と地球環境の研究法
    1. 地層
    2. 過去を知る方法
    3. 化石 . 4. 化石記録の集約から地球の歴史の編纂
  3. 生物相の大変化
    1. 生命の誕生
    2. 光合成生物の出現
    3. 真核生物の出現
    4. 海洋無殻無脊椎動物の出現と分化
    5. 海洋有殻無脊椎動物の出現と分化 − カンブリアの大爆発 −
    6. 古生代の海洋生物相
    7. 生物の上陸
    8. 古生代の陸上生物相
    9. 古生代末の生物の大量絶滅
    10. 中生代の海洋生物相
    11. 裸子植物と被子植物の出現
    12. 中生代の爬虫類の大発展(大適応放散)
    13. 中生代末の生物の大量絶滅
    14. 哺乳類の出現と発展
    15. 人類の時代
  4. まとめ

成績評価

おもに期末に課すレポートの内容で成績を評価する。出席状況,宿題の内容も多少加味する。


投稿日

April 27, 2020