海外実地研修-2011

講師前多敬一郎 教授
開講部局農学部/生命農学研究科 2011年度 集中講義
対象者農学部 資源生物科学科3・4年生 (1単位)

授業の内容

※この講義は、担当教員により内容が多少変更されることがあります。

農業は人々の生存を保証し,国の基盤となる重要な産業であり,発展の先頭を切るべき産業です.他の産業同様,農業の発達には農業技術の普及は言うに及ばず,社会的あるいは経済的な基盤の整備が必要不可欠です.カンボジアは現在各国からの支援を受けながら急速に復興の進む途上国であり,このような発展途上にある国の農業を見ることにより,農業そのものの発達ばかりでなく,農業と社会との関わりをつぶさに体験することができると考えられます.農学部学生が3年生までの間に学んだ基礎的な知識や概念が,発展途上の農業へどのように生かされていくのかを学ぶことをこの研修の目的としています.このため,カンボジア首都プノンペンおよびタケオ州の農村地域において,カンボジア王立農業大学(RUA)の学生とともに農村を回り,自分で現場を見て農家の人達から直接話を聞き,開発途上国の農業の現状への理解を深めるプログラムを実施しました.参加学生には課題が与えられ,最終日には RUA の教職員や学生の参加の下,発表会および修了式を行いました.平成 20 年度は,平成 21 年 1 月 19 日〜25 日の 1 週間に渡って研修を行いました

学習成果

研修報告会で各グループが発表したスライドの一部を掲載.

パワポ1

パワポ2

パワポ3

パワポ4

パワポ5

パワポ6

パワポ7

パワポ8

パワポ9

パワポ10

パワポ11

講義の目的およびねらい

3年次までに習得した自然科学,社会科学および国内研修における農業現場の知識・経験等をもとに,異なる自然・文化・社会的背景をもった国の農業を直接視察し,その農業現場における問題点等を解析する.

具体的な講義内容

カンボジア タケオ州の農村について調査を行う.カンボジア王立農業大学の3年生とグループを組み,農村の視察,農民からの聞き取り調査に基づき,解析を行い,その結果を基に最終日にプレゼンテーションを行う.
日程は1週間程度,カンボジア側とのコミュニケーションはすべて英語を用いる.定員は 10 名程度,その人数に応じて同数のカンボジア人大学3年生が参加する.引率教員は日本側が 5 名程度,カンボジア側が 5 名程度参加し,現地での活動を補助する.
研修に先立ち,4 回程度の事前研修を行い,カンボジアの歴史,社会,文化,農業などの産業等に関する基礎知識を得る.また研修後には事後研修を行い,研修の総括を行う.
日程や負担金等の詳細については追って掲示する.

教科書

なし

参考書

事前研修時に紹介する.

参考資料

カンボジア王立農業大学(Royal University of Agriculture; RUA)について

RUA はカンボジアにある9王立大学の一つであり,首都プノンペンの郊外にある.1964 年に創設されたが,1975〜1978 年のポルポト政権による知識人の大殺戮ならびに建造物破壊の深刻な影響を受けた.その後,名古屋大学や JICA の協力の下,教育プログラムが再編され,2002 年に大学院修士課程,2006 年に博士課程も設立されている.現在,学部は以下の8学部から構成されている.2006 年度の学部生総数は 1,531 名であった.

  • Faculty of Agronomy Sciences
  • Faculty of Animal Science and Verterinary Medicine
  • Faculty of Forestry
  • Faculty of Fisheries
  • Faculty of Agricultural Technology and Management
  • Faculty of Agricultural Economics and Rural Development
  • Faculty of Agro-Industry
  • Faculty of Land Management and Land Administration

名大トピックス No.190p.21

課題

農業生産力とそれに伴う生活水準が対照的な2つの農村を訪問・調査し,なぜそのような差異が生じるのかを,講義や実験実習で得られた知識を総動員して考えよ.

1. 事前研修

研修予定者が全員集まり,カンボジアに関する基礎知識を習得し,研修の心得,注意事項ならびに研修内容に関する確認を行った.

講義内容
1 カンボジアの社会・文化・歴史
2 カンボジア農業の概要
カンボジアについて知っておくべきこと
3 現地調査の課題について説明
4 研修内容の確認,事務手続

2. 実地研修

平成21年1月 19日(月)〜1月 25日(日)
研修地:カンボジア プノンペンおよびタケオ州

研修内容
1 名古屋発,プノンペン着
2 研修のオープニング (於カンボジア王立農業大学RUA)
公開セミナー
グループディスカッション:自己紹介,農村での調査内容の話し合い
3 コショウ栽培販売農家への訪問 (プノンペン)
スーパーマーケット,セントラルマーケットでの農産物調査
マイクロバスにてタケオ州農村地域へ移動
4 村長から村の概要説明
村の農家への訪問・調査
5 村の農家への訪問・調査
米焼酎製造農家の見学
マイクロバスにてプノンペンへ移動
グループでの発表準備
6 グループ発表会 (於RUA)
研修のクロージング,修了証書の授与
プノンペン発
7 名古屋着
解散

調査項目の打ち合わせ

調査項目の打ち合わせ

農家での聞き取り調査

農家での聞き取り調査

グループ発表

グループ発表

発表が終わって記念撮影

発表が終わって記念撮影

3. 事後研修

平成 21 年 3 月 5 日(木)
研修の感想,反省点,次年度へ向けての提言などについて参加学生が発表を行った.

成績評価

単位(1単位)の可否は,事前研修,実地研修,事後研修への出席状況と発表内容を総合的に評価する.


投稿日

March 12, 2020