情報メディア空間構成特論-2011

講師長尾確 教授
開講部局情報科学研究科 2011年度 後期
対象者情報科学研究科 メディア科学専攻 (2単位週1回全15回)

授業の目的

コンテンツおよびロボットのハードとソフトについて実践的に学習する。レゴマインドストームを教材として、ロボット(モーターとセンサー)のメカニズムとそのプログラミングを学習する。

授業の工夫

授業への積極的な参加を促すために、通常の講義の他に、受講者が自分で考え、 それに基づいてものづくりを行う実践的な学習の機会をできるだけ多く設けてい る。

具体的には、レゴマインドストームを使ってセンサーとモーターとコントローラ から成るロボットを製作し、プログラミング言語 Java を使ってそれを動かすプロ グラムを作成する。 また、ロボットを使って遂行すべき具体的なタスクを設定し、競技形式にするこ とで、学習した内容を効果的に反映し、その評価も自然にできるようにしている 。 ロボットの基本的なプログラムは用意しておき、講義で学んだ知識をロボットの プログラミングに最大限に活かせるように配慮した。 さらに、ロボットのプログラミング(自律的に動かすための規則と手順を組み込 むこと)は特殊なものではなく、試作と実験を繰り返すことで一般的なプログラ ミングスキルが養われるようになっているため、講義が終了した後でも、その知 識をロボット以外の問題に流用できる。

このように、一般的なスキルを身につけることを射程に入れつつ、自律ロボット のメカニズムとプログラミングという専門的な知識が獲得できるように工夫を凝 らしている。

学習成果

ロボットコンテスト 1

ロボットコンテスト 2

授業の特徴

ロボットコンテストという、わかりやすいタスクを用いて、学習の効果や達成度を教師と学生が共に確認できる。ロボットのプログラミング環境は、教材に特化されているものではなく、一般的な言語(Java)および開発環境を用いているため、本講義で習得したスキルを研究や卒業後の仕事にも活かすことができる。

講義内容

  1. レゴマインドストームを使った実践的学習
    具体的なシステムを扱うことによりデザインセンスを養う。
  2. Java 言語を用いたプログラミング演習
    コンテンツの定義と扱い方を学習する。
  3. エージェントとロボットに関する基礎と応用
    自律的なシステムの設計法とその応用例について学ぶ。特に、物理環境や人間とシステムとのインタラクションについて学ぶ。

講義の前提(受講の条件)

本講義を気持ちよく受講するには、次の 5 つの条件をクリアする必要があります。

  • Javaプログラミングの基本的知識を有すること
  • ノートPCを持っていること
  • 人工知能やロボットに興味があること
  • 子供のころレゴで遊んだ経験があること
  • 協調性があること

定員

15 名程度

教科書

教科書は特に必要なし。

参考資料

参考リンク

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課題

それぞれのグループにおいて、メンバーがどういう貢献をしたかについて、レポートを提出してもらいます。

レポートに記述すべき内容

  1. ロボットの構造的特徴
  2. ソフトウェアの工夫点
  3. 各メンバーの貢献(特に詳しく。全体の作業を 100 としたときの各メンバーの達成した作業の全体に占める割合も添える)
  4. その他(講義に関するコメントなど)

スケジュール

授業内容
1
講義全体の概要
−Javaプログラミングに関する簡単な試験をやります。
2
ロボットを動かしてみる
−ロボットの行動について
−レゴマインドストームについて
−センサーとモーターの利用
−Javaによるプログラミング
3
ロボットにタスクを与える
−タスクの例:5m前進して180度回転して元の位置に戻る
4
グループワーク(その1)
−マインドストームとそのプログラミングに慣れる
5
グループワーク(その2)
6
ロボットとコンテンツ
−ロボットが理解できるコンテンツとは
7
ロボットとコンテンツ(その2)
−XMLプログラミング
8
グループワーク(その3)
−ロボットをネットワークにつなぐ
9
グループワーク(その4)
−XMLによる地図を用いて移動するロボットを作る
−ロボットコンテストの内容と形式を考える
10
ロボットと人間のインタラクション
−人間とロボットのインタフェース
−マルチモダリティ
−対話と行動
11
グループワーク(その5)
−ロボットコンテストの準備
−ロボットコンテストの内容を決める
−ロボットの基本動作の確認
12
13
14
ロボットコンテストプレ大会
−コンテスト内容説明と練習試合
15
ロボットコンテスト本番
−リーグ形式で最優秀グループを決める

講義スライド

第 1 回 講義全体の概要

講義の様子(ビデオ)

第 1 回 講義全体の概要

成績評価

成績は、グループワークの成績(主にロボットコンテストの順位)と各人の貢献度で決まります。

  • グループワークの成果に応じて、それぞれのグループに点数をつけます。
  • 各グループメンバーのグループワークにおける貢献度(単位%)を計算します。
  • 成績=グループ点 × 貢献度(を 100 点満点で正規化)

投稿日

May 10, 2020