講師 | 羽賀祥二 教授 |
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開講部局 | 教養教育院 2006年度 前期 |
対象者 | 全学部 (2単位・週1回全15回) |
この授業は、いわゆる「自校史教育」とよばれるタイプの授業で、大学文書資料室(室長:羽賀祥二)が開講しています。
本学での自校史教育は1999年度から始まりました。当初は「日本の大学—近代日本と名古屋大学—」という名称で開講していましたが、2003年度からは「受講生の立場」からカリキュラムの見直しを行い、名称も現在の「名大の歴史をたどる」に変更しました。
現在、「名大の歴史をたどる」は、全学部の新入生を主な対象とする全学教養科目で、200〜250名規模の大人数対象授業として、毎年前期(4月〜7月)に開講しています。
この授業では、「名大史ブックレット」シリーズや短編ムービーなど大学文書資料室が作成したオリジナル教材が数多く使われ、講義一辺倒の授業にならないような工夫をしています。
「名大史ブックレット」シリーズ(既刊11巻)は、いわゆる通史的な叙述ではなく、特定のテーマに即して本学の歴史をコンパクトに書き下ろしたブックレットです。このブックレットは、受講生のみならず学外の方々からも好評を得ており、現在では印刷冊子タイプのものとウェブ上で閲覧可能な電子ブックタイプのものを用意しています。また、オリジナル短編ムービーは、「名古屋大学のあゆみ—キャンパスの変遷—」(約25分)や「名古屋大学豊田講堂 1960 − 2005」(約20分)があります。
毎回授業の終了時、受講生に「感想文用紙」の提出を求め、授業内容に対する感想・質問や、授業方法等についての意見・要望を引き出す機会を設けています。
名古屋大学の歴史を知っていますか? この講義では、本学の歴史を学ぶことができます。同時に、歴史的な存在としての日本の大学史を理解することによって、大学の将来像を考える際の知見を広めることができます。
近年、大学の内外でさまざまな「大学改革」が展開されています。そうした改革の実施や評価は、現在あるいは過去の大学に対する歴史的な認識を持たずには行うことができません。本講義を通じて、これからの大学のあり方を考える機会が得られるばかりでなく、何よりも自らが学ぶ場所である名古屋大学に対する理解を深めることができます。
本講義は、半期全体を総説編と各説編に分けて構成します。 それぞれの編においては、以下のテーマに即した内容の講義が展開されます。
日本の高等教育史を制度変遷の面から時系列的に取り上げる中で、名古屋大学の歴史について概括的に講義します。
1.洋学の受容と専門教育制度の整備—【名古屋大学の源流】
2.旧制大学の成立と展開—【医科大学から名古屋帝国大学へ】
3.旧制高等教育諸学校の成立と展開—【新制名古屋大学の包括諸学校】
4.新制大学の成立—【旧制名古屋大学から新制名古屋大学へ】
5.大学における戦後改革—【名古屋大学の現状】
特定のテーマを設定することによって、総説編における通史的な観点とは異なる観点から名古屋大学の歴史を見つめ直すとともに、今後の展望を考察します。 各説編用のテキストとして、『名大史ブックレット』シリーズ(既刊 11 巻)を使用します。
総説編:特に指定はしません。各授業内容に応じて資料を適宜配付します。
各節編:『名大史ブックレット』を使用します。
回 | 主題 | 備考 |
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<総説編> | ||
1 | オリエンテーション | |
2 | 名古屋大学の源流から医科大学へ | 旧制専門学校と旧制単科大学 |
3 | 名古屋帝国大学から旧制名古屋大学へ | 旧制総合大学の展開 |
4 | 第八高等学校 | 新制名大の包括学校(1) |
5 | 名古屋高等商業学校 | 新制名大の包括学校(2)−名大史ブックレット10 |
6 | 岡崎高等師範学校 | 新制名大の包括学校(3)−名大史ブックレット8 |
7 | 旧制名古屋大学から新制名古屋大学へ | 新制大学の成立 |
8 | 名古屋大学(国立大学期) | 大学における戦後改革 |
9 | 名古屋大学運営の基本姿勢 | 平野総長による講義 |
<各説編> | ||
10 | 名大祭のあゆみ | 名大史ブックレット7 |
11 | 名古屋大学のスポーツの歩み | 名大史ブックレット3 |
12 | 草創期名古屋大学と渋沢元治初代総長 | 名大史ブックレット6 |
13 | 名大の寄付建物 | 名大史ブックレット4・9 |
14 | 名大最初の外国人教師 | 名大史ブックレット5 |
15 | 名大キャンパス史 | 名大史ブックレット2・スライドショー |
第 1 回
第 2 回
第 3 回
第 4 回
第 5 回
第 6 回
第 7 回
第 8 回
第 9 回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
この授業の成績評価は、出欠の状況とレポート内容に基づいて評価します。レポートの課題は基本および発展の2種類とし、基本課題は必修扱い、発展課題は任意扱いとしています。
レポートの評価に、授業の出席状況を加味して判定します。
レポートの採点基準 _ 基本課題において、講義内容を十分に理解した上で正確にレポートしており、同時に、発展課題において、文献調査等を踏まえた自分なりの論理的見解をレポートしたもの=「優」 _ 基本課題において、講義内容を十分に理解した上で正確にレポートしているもの=「良」 _ 「良」評価の要件を十分に満たしていないが、単位取得に値するもの=「可」 _ 「良」評価の要件をほとんどあるいは全く満たしておらず、単位取得に値しないもの=「不可」
出席状況がきわめて良好な者 ⇒ レポート評価から1ランクアップした判定とする(レポート評価が「不可」の場合は適用しない)。
出席状況がおおむね良好な者 ⇒ レポート評価の通りの判定とする。
出席状況が劣悪な者 ⇒ レポート評価から1ランクダウンした判定とする。
出席状況がきわめて劣悪な者 ⇒ レポート評価にかかわらず、「不可」とする。
May 18, 2020