力学-I-2003

講師大島隆義 教授
開講部局教養教育院 2003年度 前期
対象者理学部1年生 (2単位週1回全15回)

授業の内容

自然科学の基礎学問である力学を、身近な現象の力学的解明を通じて学ぶことを指針とする。物理学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で力学が重要となる学生を対象とする。それのみならず、科学を学ぶ学生には必要な基礎である。この「力学 I 」および後期に開講される「力学 II 」と合わせて、ニュートン力学の基礎についてのまとまった内容を講義する。

授業の工夫

力学の勉強は運動方程式をたてて解けることができればそれでよいとなりがちです。力学は、様々な、いわゆる理系科目のベースとなる学問ですから、力学を学ぶ上では、方程式の答えだけではなく、実際の物体の運動のイメージを捉えることが重要です。

授業では、身近な例をあげ、実際の数値を使って答えを求め、現実の感覚と比較することで具体性を持った「物理法則に従った物体の運動のイメージ」が身につくよう工夫しています。さらにこの感性を養うことで、背後にあるもっと大きな枠組みの自然界の法則を理解する上で役立つことを期待しています。また、さらに1歩つっこんだ学習をしたい学生に向けて教材を別途用意しています。

本授業の目的およびねらい

自然科学の基礎学問である力学を、身近な現象の力学的解明を通じて学ぶことを指針とする。 物理学科進学を希望する学生および専門を学ぶ上で力学が重要となる学生を対象とする。 それのみならず、科学を学ぶ学生には必要な基礎である。 この「力学 I 」および後期に開講される「力学 II 」と合わせて、 ニュートン力学の基礎についてのまとまった内容を講義する。

履修条件あるいは関連する科目等

高校における物理学の履修を前提とする。 履修していない場合は、予習復習の一層の努力を期待する。

授業内容

(1) 数学的準備

  • 基本的な概念や数学的な取り扱いの基礎から導入する。 具体的には、位置、速度、加速度などを通し、ベクトルや微分、微分方程式を復習し学ぶ。

(2) 運動の法則

  • ニュートンの3つの運動法則と、その簡単な具体的適用を学ぶ。 重力下での物体の運動、抵抗がある場合の雨滴の落下運動などである。 また、力学現象で重要な振動、特にその基礎である単振り子の 運動方程式とその特性を知る。

(3) 保存力とポテンシャル

  • 大切な概念である運動量、角運動量、エネルギーを理解し、 力学現象の把握に重要なエネルギーや仕事、ポテンシャルと保存力、 さらには力学的エネルギー保存則を学ぶ。 力のポテンシャルを「場」という物理量として学ぶ。

(4) 振動と波動

  • 力学現象に頻繁に現れる周期運動「振動と波動」を学ぶ。 具体的には、自動ドアや地震現象として現れる強制振動、減衰振動、連成振動である。 また、川の表面の波、弦を伝わる波、音波、定常波などを 波動方程式を解くことにより解明する。

(5) 座標変換と見かけの力

  • 慣性系、ガリレイの相対性原理、「慣性力」、さらに回転座標系を学ぶ。 回転座標系に伴うコリオリ力を理解し、台風の渦がなぜ左巻きか、 フーコーの振り子とは、潮汐力とは、を知る。

教科書

  • 鈴村順三・大島隆義・大澤幸治 著 「理工学の基礎 力学」(培風館)

参考書

  • 太田 信義 著 パリティー物理学コース「一般物理学(上)」(丸善)

  • 長岡 洋介 著 「物理の基礎」(東京共学社)

  • 和田 正信 著 「力学とは何か」(裳華房)

  • A.P. フレンチ 著 「MIT 物理 力学」(培風館)

スケジュール

講義内容
1 − イントロダクション: 科学的思考法を学ぶことへ
2 − Newtonの運動の法則
− ベクトル、速度、加速度
3 − 単位系
− 放物運動
4 − 速度に依存する抵抗がはたらくとき
5 − アリの落下運動
6 − 円運動
7 − 単振子
− 運動方程式の積分
8 − 保存力とポテンシャル
9 − ポテンシャルの具体例:万有引力
− 単振動
10 − 減衰振動
11 − 強制振動
− 連成振動
12 − 波動
13 − 慣性力
− 回転座標系
14 − フーコーの振り子
15 - まとめ
− 定期試験

講義ノート

「力学 I 」 授業に関連した参考メモを載せる。 諸君が力学、物理学、自然科学さらには学問に興味を持ち、勉学するきっかけになることを期待する。

したがって、授業講義ノートではない。それは授業時間に採ること。

また、教科書に代わるものを用意するつもりでもない。すばらしい教科書が用意されている。


第 2 回

第 3 回

第 4 回

第 5 回

第 6 回

第 7 回

第 8 回

第 9 回

第 10 回

第 11 回

第 12 回

第 13 回

第 14 回

成績評価

出席状況、中間試験や期末試験、演習レポート等により総合的に評価する。


投稿日

March 17, 2020