もう43年研究者人生があったなら

名古屋の地と平和な時代に感謝

退職するにあたって思う事は、本当に自然は広大で、一人の研究者の人生で追求できることなどはごくわずかであったなあという事です。それでも、タウニュートリノの発見やニュートリノ振動の存在検証に当事者の一人として立ち会ったり、ピラミッドの未知の空洞発見の現場に出くわしたりと、1980年に信州大学から名大の院へ来た時には想像もできなかったような知的興奮とスリルを味わうことができたのは本当に幸運であったと思います。このようなめぐりあわせをもたらしてくれた人々とのつながり、出会い、それを可能としてくれた名古屋の地、そして何よりも基礎研究への没頭を可能としてくれた平和な時代に深く感謝したいと思っています。次の43年もまた、基礎研究への没頭が許される自由で平和な世の中であること、人間が信頼に足る存在であり続けることを心から願います。

講師紹介

中村　光廣（なかむら・みつひろ）　未来材料・システム研究所教授

経歴

学歴

• 名古屋大学 理学研究科 物理学専攻　1982年4月 - 1985年3月
• 名古屋大学 理学研究科 宇宙理学専攻　1980年4月 - 1982年3月
• 信州大学 理学部 物理学科　1976年4月 - 1980年3月

取得学位

• 理学博士 （ 1989年3月 名古屋大学 ）

研究キーワード

原子核乾板，ダークマター，ニュートリノ，宇宙線，μ粒子

所属学協会

• 日本写真学会
• 日本物理学会

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