十五年一睡の夢-未だ知らず一滴の水

2008年度 退職記念講義

講師大峯巖 教授
大峯巖 教授
開講部局理学部/理学研究科
日時2009/3/5 16:30-18:00
場所野依記念物質科学研究館2階講演室
大峯巖 教授
講師大峯巖 教授
開講部局理学部/理学研究科
日時2009/3/5 16:30-18:00
場所野依記念物質科学研究館2階講演室

退職にあたって

15年一睡の夢というのが正直な感慨です。1994年に岡崎の国立研究所から名古屋大学に移り、若い学生諸君の溢れる青春に触れ、教育と研究を楽しみました。教育とは教師にとっても学ぶことであり、自分が長年研究していたものが大きな学問の流れのなかのほんの一滴に過ぎないと知ったのも講義の準備の中です。学問は滔々した大河の流れであり、その流れは一つ一つの美しい滴からできています。その一滴の滴を知るのに、われわれは研ぎ澄まし素心で深く考えつづけ、自然がささやいてくれるまでただただ待たねばなりません。学問はひたすら美しく大きなものです。名古屋大学がそのような学問をする府として輝き続けることを祈念しています。

講師紹介

大峯 巖(おおみね・いわお)理学研究科教授

学歴

  • 1968年 東京大学工学部数理工学 卒業
  • 1976年 米国ハーバード大学大学院 Chemical Physics 博士課程 修了

職歴

  • 1974/09-1975/08 フランス国パリ大学第7理論化学研究員(Recherche; Predoc)
  • 1976/10-1977/03 米国マサチュセッツ工科大学(MIT)化学科博士研究員
  • 1977/04-1980/03 日本学術振興会特定領域奨励研究員-分子科学研究所
  • 1980/04-1981/05 米国マサチュセッツ工科大学(MIT)物理学科研究員
  • 1981/06-1982/12 慶応義塾大学理工学部化学科助手
  • 1982/12-1994/03 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所理論研究系助教授
  • 1994/04- 名古屋大学 理学研究科 教授
  • 2002/01- 名古屋大学評議員
  • 2003/01-2005/12 名古屋大学理学研究科長、理学部長
  • 2006/04- 名古屋大学理事、副総長

取得学位

  • 理学博士(Ph.D) (1977 Harvard University)

専門分野

  • 物理化学
  • 生物物理・化学物理

研究課題

  • 溶液・クラスターのダイナミックス
  • 溶液内化学反応の理論
  • 励起状態分子のダイナミックス
  • 生体高分子反応

所属学会

  • 米国化学会(ACS)
  • 米国物理学会(APS)
  • 日本物理学会
  • 日本化学会

受賞学術賞

  • 日本化学会賞 (2008/03)
  • 中日文化賞 (2003/05)

講義資料

十五年一睡の夢 未だ知らず一滴の水


投稿日

March 26, 2022