講師 | 奥田智樹 准教授 |
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開講部局 | 文学部/国際言語文化研究科 2014年度 前期 |
対象者 | 大学院生 (2単位・週1回全15回) |
日本語の副詞について、先行研究の系譜を踏まえてその機能上の特質を明らかにし、いかなる問題が存在するか、またそれに対していかなる分析のアプローチが可能であるかを、受講者の方たちと 探りたいと思います。
この授業は、日本語学でしばしば話題になり、院生の方が研究対象に選ばれることの多いテーマを取り上げ、なるべく新しい生の論文を教材として一貫して演習形式で行っています。授業は、当該の論文の中で問題になりそうな部分についてこちらで設問を作成して、前の週に受講者の方たちにメールでお送りしておき、授業の前日までに全員にその解答をメールで提出していただいた上で、その解答を順次全員で検討していくという形で進めています。
このように受講者の方たちにあらかじめ設問に対する解答を準備しておいていただくことで、毎回全員の方に無理なく積極的に発言していただける教室環境を実現しています。また、事前にお一人お一人に考えをまとめておいていただくことで、難しい問題であっても直ちに内容を掘り下げた活発な議論を行うことが出来、限られた授業時間を最も効率よく使っていることを自負しています。
どれほど完成度が高いとされる論文でも、二度三度と精読していけばどこかに何らかの「弱点」が見えてくるものですが、それを正当に批評し、問題点を克服した上で自分なりのオリジナルな主張に結びつけていく作業には相当な苦労が必要です。論文を書く際に誰でも経験するこうした「生みの苦しみ」の過程を、この授業を通じて受講者の皆さんとご一緒に追体験できたらと考えています。
日本語の副詞について、先行研究の系譜を踏まえてその機能上の特質を明らかにし、いかなる問題が存在するか、またそれに対していかなる分析のアプローチが可能であるかを探る。
授業は一貫して最近の論文を素材とする演習形式で行い、受講者には毎週論文の内容に関連して担当教員が用意する設問に対する解答の提出、発表、およびそれらを踏まえた活発な議論が求められる。これらの作業を通じて、様々な論文を批判的に読みこなす応用力、および先行研究における問題点の発見を出発点として、新しい研究テーマの設定や考察に結び付けていく実践力が養われることとなろう。
今期は陳述副詞と程度副詞の名詞修飾を中心に扱う予定である。主なトピックは次の通りだが、細部において受講者の希望に沿った形での変更もあり得る。
なし。授業ではハンドアウトおよび論文のコピーを配布する。
授業中に指示する。
特になし。応用言語学特殊研究 a(前期)と b(後期)は全く独立した内容ですので、どちらか一方のみの受講も歓迎します。
毎週の設問に対する解答レポート(70%)、講読論文のレジュメ作成および発表(20%)、発言を含めた授業への貢献度(10%)。
学期末のレポートや試験は一切課さないが、その分毎週の授業における取り組みを重視する。
December 22, 2015