農学部・生命農学研究科
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  3. 部局紹介

農学部・生命農学研究科の教育

農学は、人類の生存に不可欠な食料、環境、有用な物質などを生み出す生物の多様な働きを理論的、総合的に解明するとともに、その機能を高める技術開発を進めています。今日、地球規模での喫緊の課題である食・環境・健康・エネルギーは、農学の基盤的な研究分野であり、問題解決の先導者としての役割はますます重要になっています。

そのため、学部教育では共通基礎科目の上に、幅広い視野と専門分野の知識・能力を涵養する専門科目を積み上げる教育プログラムを実践しています。加えて、実験実習や体験学習により現場を意識した応用力や判断力を培う教育を行っています。大学院生命農学研究科では、農学的展開を常に意識しつつ、生物活動の本質を生命科学として解明し、新たな技術開発に貢献することを目指して研究を展開しています。大学院教育では、先端的な研究環境に身をおきながら、専門分野の高度な知識、技術を習得し、独創的研究の提案力、世界で活動する国際性、環境・社会を見渡す科学力と社会性を養う教育を推進しています。

部局長インタビュー

農学部・生命農学研究科長

土川覚 教授

農学部・生命農学研究科長の土川覚教授に5つの質問に答えて頂きました。

1. 農学部・生命農学研究科の強み(醍醐味)を教えてください。

名古屋大学農学部は1951年、昭和26年に設置されました。全国の農学関連の学部の中では、歴史的には比較的若い学部ですが、本学の「自由闊達」な学風は設立当初から現在まで受け継がれています。

農学部・生命農学研究科は、基盤的学問の探究とその成果を国内・国外で活かす教育が大きな特色です。生命・生物の真理を探究し、学問の成果を産業界、行政ならびにアカデミアで幅広く活かせることが農学部・生命農学研究科の強みであり、醍醐味です。

農学が今日抱える課題は、世界的人口増加に伴う食料確保、食の安心・安全保証、健康の維持と増進、人間の活動と自然環境との調和など多方面に広がっており、これらは国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)とクロスオーバーしています。食・環境・健康にかかわる基盤的学問を探究し、その成果・技術を地域レベル・世界レベルで活かすことが農学部・生命農学研究科の使命です。国際的な学術連携と教育交流を積極的に行い、世界とりわけアジア諸国との交流の拠点となることを目指しています。

もちろん、自然科学系の知識だけでだけでなく、社会科学や人文科学を含めた総合的な視点やゆるぎない研究倫理観をもつことが必要です。農学は広汎で多様な背景を持つ学問であり、本学でも専門の異なる優秀な人材が集まっています。視野が広がり、学際的かつ複合的な学びができるのが農学部・生命農学研究科の魅力です。

2. 農学部・生命農学研究科の学生に大学生活を通じてどんな風に育ってほしいですか。

本学の人材育成の目標である「勇気ある知識人」、すなわち、高度な専門知識や技術に加えて、社会貢献の高い志と幅広い視野、多様性を理解し、受け入れる広い心、そして物事を動かしてゆくリーダーシップ、などの資質を持ち、人類的な課題と向き合って果敢に挑む人材に育ってほしいと願っています。

在学期間中に、創造的な研究活動を通して真理を探究する喜びを知り、そして、課題解決に向けたモチベーションを持ってもらいたいと思います。これからの社会では、従来の枠組みにとらわれずに分野融合的な新分野を創造することができるイノベーション人材、地球規模の視野とマインドを持ったグローバル人材が望まれています。学部・大学院に在学する間、様々な学びの機会を積極的に活かして、それぞれの道での「勇気ある知識人」となることを期待しています。

3. 農学部・生命農学研究科のビジョンを教えてください。

名古屋大学農学部では、食糧・生物資源の生産、生物資源の利用、生物機能の活用、および生物共生環境を考究し、食・環境・健康に関する諸課題の解決を通して人類の生活の向上と充実を図る学問として「農学」を位置づけ、また、大学院生命農学研究科では、生命科学の基盤の拡充、生物機能・生物資源の高度利用、生命共生環境の創出・保全、および持続的生物生産と先端生命科学の技術開発を通して環境に調和した人類の発展を目指す総合的な学問分野として「生命農学」を位置づけています。

ライフサイエンスやバイオテクノロジー、データサイエンス、人工知能等を中心とした学術と科学技術が爆発的に発展しつつある時代を迎える中で、農学部・生命農学研究科は、創造的な研究活動によって真理を探究し、世界屈指の知的資産の形成・蓄積と継承に貢献すること、学生の自発性を重視する教育実践によって、論理的思考力と想像力に富んだ勇気ある知識人を育て、国内外で指導的役割を果たしうる人材を養成することを研究と教育のビジョンとしています。

4. 土川先生ご自身が学生だった時、印象的な授業はありましたか。

基礎学問が実社会でどのように活かされるのかを系統的にお話しくださる講義が複数ありました。高校生時代に受験対策として暗記した公式や定理が、専門科目に結びついており、それが農学に関わる産業界を支えていることを知った時、たいへん強い感銘を受けました。何のために勉強しているのかが、少し判ったような気になりました。現在、自身が担当する講義でも、このことを学生諸君に気づいてもらえるように心がけています。

5. 高校生(農学部へ入学を希望している学生)へのメッセージをお願いします。

農学は、生命科学系の総合科学であり、また、実践的な実際科学として様々な分野から熱い眼差しが注がれています。いま、農学が解決すべき課題は、多岐にわたります。世界人口は70億人を超え、食料確保や安全な食の保証が大きな問題となっています。また、森林破壊、砂漠化、異常気象等が多くの地域で発生していますが、自然環境との生態的な調和を考慮して人間生活の質を向上させ、健康の維持と増進を図ることが重要です。これらいずれもが、地域特有の課題であると同時に国際的かつ普遍的な課題、つまり、グローカルな課題でもあります。

名古屋大学が位置する東海地域は、世界を代表するものづくり産業の集積地であるばかりでなく農業や農林関連産業においても主要な生産地域であり、従来の枠組みにとらわれずに分野融合的な新分野を創造することができるポテンシャルを備えています。

農学部・生命農学研究科では、「勇気ある知識人」の育成に向けて、幅広い基礎科学の知識と深い専門性を体系的に学べるような教育プログラムを実施しています。高い志を持った国内外の若い人が集い、互いに多くを学び、新しい農学を創造するグローカルな人材となることを期待しています。

(2019年5月27日)

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