たまねぎの皮むくたびに涙かな−複合理論とともに−理学部/理学研究科山脇幸一 教授2009年度 退職記念講義益川さんの推薦で尾張の地名古屋大学に職を得たのは1980 年のことだった。時あたかも、クォークの存在が確立し小林・ 益川理論を含む素粒子の標準模型が定着していった1970年代が終りを告げ、素粒子論の流れが標準模型を超える“より基本的な”理論の模索に向かっている転換期であった。 歴史は繰り返すというが、名大着任後の私は、1955年に始まる坂田の複合模型がクォーク模型に発展し標準模型へと結実し ....続きを読む →