メダカに明け、メダカに暮れ生物機能開発利用研究センター若松佑子 教授2008年度 退職記念講義1994年4月、名古屋大学に着任した私と夫の尾里建二郎の目にまず飛び込んできたのは、研究棟の周囲を埋め尽くす甕、甕、甕の海でした。前任の富田英夫先生が研究者人生をかけて収集されたメダカの自然突然変異体数万尾がこれらの甕の中にいました。このメダカを「何とかしてくれ!」、これが私達に与えられた課題でした。メダカの整理を担当した私は、学生達が「メダカ畑」と呼ぶこの甕の海で、富田先生が残されたメモ ....続きを読む →