ヴィレム・フルッサーが残してくれたもの文学部/人文学研究科越智和弘 教授2016年度 退職記念講義39年前に右も左も分からぬ名古屋に赴任して以来、名古屋大学にも29年在職させてもらいました。独文研究の日本的独りよがりを若気の至りで批判し、突っ張り者として類例のない研究を貫き通せたのは、名古屋大学の自由な学風のおかげと、心底感謝しています。ただ歩んだ道をふり返り、まわりを見回せば、国際的な行き来こそ容易になったものの、文学研究も大学や社会の行く末も、文字思考の限界から生まれた数値成果主義 ....