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講義概要

情報化社会の現状と法的諸問題について講義するとともに、情報技術の発展が何を意味するのか、社会の情報化の本質は何かという問題に考察を加える。特に、それが従来の社会とそれを支えていた様々な価値・理念にいかなる変容をもたらすか(あるいはもたらさないか)を理論的見地から問題とし、具体的な法制度との関連を追求する。基本的に講義形式だが、前提となる技術的知識については適宜説明を加えるとともに、実際に利用・経験してみる課題を課す。


到達目標

  1. 情報化の進展に伴う法的諸問題の現状について、正確な知識を習得する。
  2. 情報化社会論の知識と考え方を習得する。
  3. 社会の理論的分析を行うための知識と考え方を習得する。
  4. 情報技術について一定程度の正確な知識を習得する。

履修条件

特になし。情報機器やネットワーク利用法の講義ではないので、それらの操作に熟達している必要はない。

教科書

教材を配布する。


参考書

参考資料

スケジュール

テーマ講義内容授業時間外の学修活動
1 情報化社会と情報「情報化社会」という言葉の意味、情報の定義と性質について理解する。参考文献について自習する。古瀬幸広・廣瀬克哉『インターネットが変える社会』、村井純『インターネット』『インターネットII』など。
2 情報化社会と国家(1)情報民主主義論・デジタルデバイド論・電脳世界論など主な理論について理解する。参考文献について自習する。廣瀬克哉「「情報革命」と権力: 覇権化・アナキー化・民主化の相剋」、木村忠正『デジタルデバイドとは何か: コンセンサス・コミュニティをめざして』、西垣通『聖なるヴァーチャル・リアリティ:情報システム社会論』など。
3 情報化社会と国家(2)従来の理論を批判的に検討する。参考文献について自習する。佐藤俊樹『ノイマンの夢・近代の欲望: 情報化社会を解体する』、大屋雄裕「ネットワークと重層化するコミュニティ」など。
4 ネットワークと言論空間(1)ネットワークの普及と拡大に伴い生じている問題のうち、言論に関わるものについて認識する。関連判例を事前に学習する。ニフティサーブ事件(東京高裁H13.9.5判決)、ニフティサーブ第二事件(東京地裁H13.8.27判決)。
5 ネットワークと言論空間(2)言論に関する法理論(名誉毀損、プライバシ、対抗言論、萎縮効果など)について理解する。参考文献について自習する。高橋和之「インターネットと表現の自由」、大屋雄裕「プライバシと意思」など。
6 ネットワークと言論空間(3)ネットワーク上の言論を分析するための社会学・哲学理論を理解する。参考文献について自習する。市川智「『覚悟と矜持』: 現代思想フォーラムの戦いは何であったか」、大澤真幸『電子メディア論:身体のメディア的変容』など。
7 ネットワークと統治可能性(1)情報化に伴い生じているセキュリティ上の問題(プライバシー侵害、迷惑メイルなど)について認識する。
セキュリティ問題と国家論の関係について理解する。
spam問題などに関し、事例・関連報道を調査する。
8 ネットワークと統治可能性(2)セキュリティ問題を題材として権力理論を理解する。関連する議論を調査する。
9情報とセキュリティセキュリティ問題に関する技術的知識(暗号、データマイニングなど)を習得する。セキュリティ問題を分析するための法学・社会学理論を理解する。
補足配付資料「インターネットにおけるセキュリティ」
参考文献について自習する。サイモン・シン『暗号解読: ロゼッタストーンから量子暗号まで』、藤原宏高(編)『サイバースペースと法規制:ネットワークはどこまで自由か』など。
10 情報化と知的財産権知的財産権制度の骨格と制度の正当化理論(誘因説・自然権説など)を理解する。関連法令を事前に学習する。
11 著作権制度とその変容(1)著作権制度の前提とする情報流通技術のあり方と、デジタル化に伴う変容について理解する。参考文献について自習する。中山信弘『マルチメディアと著作権』、マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』など。
12 著作権制度とその変容(2)デジタル化に対応する情報技術と、その法理論的な問題点について理解する。関連する議論を調査する。
13 ソフトウェアの法的保護(1)ソフトウェアの法的保護をめぐる論争と問題点について理解する。参考文献について自習する。小泉直樹『アメリカ著作権制度』など。
14 ソフトウェアの法的保護(2)知的財産権制度の理論的前提とその限界を分析するための法学理論を理解する。参考文献について自習する。ローレンス・レッシグ『CODE: インターネットの合法・違法・プライバシー』など。
15試験

成績評価

学期末の試験(100%)。中途で出題する課題によって加点する。

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