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講義の目的

講義の目的は、正多面体(特異点)のような具体的な対象を通じて、 今後学ぶであろう種々の数学の考え方に触れてもらうことである。

前半は正多面体をトポロジーの視点で取り扱う。 正多面体はプラトンの立体とも呼ばれ、古くから知られている。 これは(3次元の中の)凸多面体の特別な場合と認識することができる。 凸多面体に関しては、面、辺、頂点の個数に関して有名なオイラーの 多面体公式が知られている。 このような公式を利用して、正多面体を分類することから始める。 さらに、オイラーの公式をいろいろな角度から見ることにより 少しずつ数学の奥に入っていくことができるようにしたい。

また、正多面体は「いろいろな対称性」を持っている。 後半はこれを【群】という道具を利用して理解してもらう。

最終的には、マッカイ対応と呼ばれる不思議な対応にそって 正多面体がいろいろな数学と結び付いていく様子を観察する。

講義の概要

前半は正多面体の分類から始める。特に、 正多面体を凸多面体とみなし、頂点、辺、 面の個数に関するオイラーの公式が (トポロジーの視点から)拡張していく様子を見る。
後半は正多面体の(合同)変換群を例にして 群論の考え方を学ぶ。
その他、ユークリッドの互除法、ガロア理論などの トピックスも扱う。

履修に必要な知識

高校程度の数学の知識があれば良い。

履修の際のアドバイス

具体的な対象を題材として取り上げていることを利用して、 自分の手で確かめてみることが良い。特に、正多面体の模型 を自分で作ってみるのもお薦めである。

講義の進め方

講義は8:45から始める。最初に講義要約を配布する。 また、講義を理解するための練習問題も出す予定なので、 各自で解いて欲しい。

参考資料

  1. 正多面体を解く(著:一松信), 東海大学出版会, 2002
  2. 多面体の数理とグラフィックス(著:関口次郎), 数理情報科学シリーズ, 1996
  3. 代数的トポロジー(著:枡田幹也), 朝倉書店, 2002
  4. 群の発見(著:原田耕一郎), 岩波書店, 2001
  5. 数学のたのしみ, 2005秋-特異点の世界:その広さと豊かさ
  6. 正20面体と5次方程式(著:クライン, 訳:関口次郎),
    Springer-Verlag 東京, 1997
  7. 代数学とは何か(著:シャファレヴィッチ, 訳:蟹江幸博),
    Springer-Verlag 東京, 2001
  8. 数学名所案内[上下](著:G・トス, 訳:蟹江幸博), Springer-Verlag 東京, 2000

レポート(第3回)

第1回レポートのねらいは、講義で証明した定理を自分でまとめる習慣を つけてもらうことである。ノートを取らない学生が増えていることに対する 警鐘でもある。
第2回レポートでは実際に問題を解いてもらうことを目的としている。いわゆる 標準的なレポートである。
第3回レポートでは、自分で調べ、自分で問題を作る、という自主性を重んじた 出題形式としている。ネットで調べたものを出すだけでは採点の対象にならない ことに注意して欲しい。

スケジュール

講義内容
1 −講義の概要、シラバス配布
2 −正多面体とは何か?(オイラーの多面体公式)
3 −正多面体の仲間達(サッカーボールと正20面体)
4 −凸多面体のf列の特徴付け
(与えられた頂点数、辺数、面数を持つ凸多面体は存在するか)
5 −単体的複体(正多面体の展開図との関係
6 −閉多面体曲面のオイラー数(三角形分割
7 −ユークリッドの互除法(最大公約数の計算方法)
8 −正多角形の対称性
9 −正多面体群(1)(正4面体群)
10 −正多面体群(2)(正6面体群)
11 −正多面体群(3)(正20面体群他)
12 −正多面体群のまとめ(練習問題)
13 −3次方程式の解法(カルダノの公式)
14 −4次方程式の解法、ガロアの理論の紹介
15 −講義の背景〜マッカイ対応とその周辺

成績評価

成績は3回のレポートを中心に評価し、数回取る出席状況を参考にする。

  • 第1回目のレポートでは、講義で紹介した定理(正多面体の分類、 アルキメデスの平面充填形の分類、3次元凸多面体のf列の特徴付けなど) とその証明を自分なりにまとめてもらう。単なる写しではなく、証明の不備 などをきちんと押さえているかどうかがポイントである。
  • 第2回目のレポートでは、正多面体群とユークリッドの互除法に関連した 問題を解いてもらう。講義で習った理論を実践に生かせるかがポイントである。
  • 第3回目のレポートでは、講義で出てきたキーワードを含むオリジナルの 問題の作成である。ただし、教官が提出したサンプル問題の提出も可能である。
以上の各回のレポートにおいて3段階評価をし、全体として標準以上であること、 規定の回数のレポートを提出している者を原則として優とする。合格の最低基準は 2回以上のレポートを提出していることである。また、出席回数が極端に少ない 場合は負の評価を加える。

最終更新日:2007年03月30日
最終更新日の時点の講義内容で公開を行っております。
最新年度の講義と内容が異なる可能性がありますのでご注意ください。

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