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開講部局:理学部・理学研究科

水貝俊治 教授

最終講義 - 強相関電子系の光物性—ラマン散乱に魅せられて

授業時間 2009年度退職記念講義
日時 2010/3/2 17:00-18:00
場所 理学部B5講義室(B館501号室)

これまでの研究を振り返って

これまでの研究を振り返ると、阪大の大学院で始めた実験がその後の研究の方向を決めたことに感慨を覚える。研究室に初めてラマン散乱用の大型分光器が入り、実験を始めた頃は安定したレーザーも無く、検出器もアナログで感度が悪く、不透明な物質ではほとんどデータがとれなかった。その頃一般に出回り始めたデジタル IC で回路を作り、 8 ビットの CPU を CP/M で動かしてデータがとれたときは感激した。これまでに狭ギャップ半導体の構造相転移、電荷密度波相転移、アモルファス半導体、銅酸化物高温超伝導体、低次元磁性体、d 電子軌道波、砒化鉄系超伝導体の研究をラマン散乱と赤外-紫外分光で行ってきた。ラマン散乱では格子振動よりも電子励起、磁気励起、軌道励起を主に研究してきた。

銅酸化物高温超伝導体が発見されたときは大変なフィーバー で寝る間も惜しんで実験を行った。直ちに高エネルギーまで の磁気励起は測定出来たが、どんなに努力しても超伝導ギャプを検出できなかった。当時は他の研究室から頂いた貴重な 単結晶を壊さないように鏡面研磨して測定していたが、その後自分達で単結晶を作っては次々に割り、劈開面を測定する ことで超伝導ギャップを観測できるようになった。現在ラマン散乱で強相関電子系のインコヒーレントな電子状態、軌道 秩序下の新しい物性等が垣間見える状況である。これまでの研究で多くの方々の協力をいただきましたことを厚く感謝申 し上げます。

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